腰部脊柱管狭窄症
(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
脊柱管は背骨の中にある神経が通るトンネルですが、背骨の変形や突出した椎間板、椎間関節の変形あるいは厚くなった黄色靱帯などにより、脊柱管が狭くなりその中を通る神経が圧迫されて歩行などに障害を来たす状態です。変形性腰椎症や腰椎変性すべり症あるいは腰椎椎間板ヘルニアなどいろいろな原因が重なって結果的に脊柱管が狭くなって、脚の痛みやしびれを来たすことがあります。したがって、腰部脊柱管狭窄症は病名というよりも症候群に近い概念です。
- 症状
- 脚の痛みやしびれがありますが、腰痛はあることもあれば無いこともあります。特徴的な症状は、歩くと徐々に脚の痛みやしびれが出現し、休むと症状が軽くなる間歇性跛行(かんけつせいはこう)です。腰部脊柱管狭窄症では自転車や乳母車を押すなど、腰を前かがみにした姿勢では症状が出ないことが多いのですが、動脈硬化では自転車や乳母車を押しても歩行障害が出現します。馬尾には膀胱や直腸への神経が通っているので、重症化すると陰部のほてり、残尿感や尿漏れ、便秘といった膀胱直腸障害が発生します。
- 診断
- 診断は問診と検査結果の総合的な評価でおこないます。①脚の痛みやしびれがあるか、腰痛だけであれば腰部脊柱管狭窄症という診断にはなりません。②歩行負荷試験:歩いて脚の痛みやしびれが出るかどうか、間欠性跛行の有無をみます。③立位負荷試験:立っているだけで脚の痛みやしびれが出るかどうか。閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈の血行障害を生じた時にも間欠性跛行はおこりますが、血管性の間欠性跛行は立っているだけでは症状は変化しません。④脊柱管の狭窄を確認するにはMRIが必要となりますが、脊柱管の狭窄自体は高齢になれば多くの人で見られるので、診断は画像所見だけではできません。腰部脊柱管狭窄症は圧迫されている神経の部位によって3つのタイプに分けられます。①神経根型は片方の脚の痛みやしびれという坐骨神経痛に似た症状です。②馬尾型は両脚のしびれが主体で、下肢の筋力低下や感覚鈍麻といった麻痺の症状もあり、排尿障害や便秘といった膀胱直腸障害が出現することがあります。③混合型は神経根型と馬尾型の症状が合わさったものです。
- 治療
- 消炎鎮痛剤などの痛み止めの内服は、症状を抑えるための対症療法であり、無理に痛みを抑えて腰椎に負担をかけていると、狭窄が悪化する恐れもあるので、漫然と長期間続けるべきものではありません。プロスタグランジンE1誘導体製剤は末梢血管拡張作用があり、狭窄部の神経の血流を改善することで症状を改善させる作用があります。下肢痛や歩行障害が著しくリハビリの効果も無い場合および膀胱直腸障害が出現した場合には手術が必要になります。椎弓を切除して脊柱管を拡げて除圧する手術をおこないますが、椎間固定術と併用されることがあります。間欠性跛行や下肢痛は改善することが多いのですが、しびれは術後も残ることが多いようです。
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